夢


父が亡くなって以来、はじめて父の夢を見た。


森の中を、寝まき姿の父が歩いている。
家につれて帰り、話を聞くと、父は、
「全然(病気が)良くならないんだよぉ」
と言って泣いた。父の目は真っ赤に腫れ上がり、
人相が別人のようになっていた。


目覚めると、父のいない現実があり、息苦しくなる。
でも、父はもっともっと、苦しかったんだよね。治りたかったんだよね。
何にもしてあげられなくて、ごめんね。
遺影に手をあわせる時、そんなことばかり思ってしまう。