後悔


月曜日に撮った胸のレントゲンの説明。
やはり、いやな予感は的中してしまった。


肺転移。何ヶ所にも散らばっているそうだ。
肺炎ではないかとの問いにも、はっきり否定されたので、
そうなんだろう。
結局、ジェムザール(単剤)は効かなかったということか。


それで、主治医は(母に)、
「抗ガン剤も、もう止めましょう、患者にムチうつような
ものだから。」さらに、「年は越せないでしょう。」と。


父は、まだ母の持っていくご飯は食べているし、病棟内を
歩くこともできる。呼吸困難も吐血下血もないし、もちろん腹水胸水も。
なにより、来年着る夏用のパジャマの用意までしているのに、
新しい自転車まで買ったのに、残酷すぎやしないか?


確かに、ここ数日はだるいようで、特に今日は母が行っても、
起きあがることさえ、辛かったようだ。

なのに、主治医は父に「抗生剤(朝夕2回点滴している)おわったら、
退院しましょう」と言ったらしい。
不振に思わないはず、ないよな〜。
病院から見捨てられたんじゃないか、と父が思わぬことを、願うだけだ。


(ちょっと言わせてもらえば、2回目の入院中(8週間)の、
父がまだとても元気な時に、いくら頼んでも、
血糖値がガタガタだといって、なかなか退院させてくれなかったのに、
こんなに弱ってしまってから、そんなこというなんて。
結局、自宅静養もたったの2週間だった。)


私としては、体力を回復して、もう一度抗ガン剤治療をしてほしい。
母に、ヒスロンHのことを、先生に聞くようにすすめ、
同時に、緩和ケア病棟(ホスピス)のことも話してみる。

両親のところへ、すぐにでもとんでいきたい。
母にばかり、つらい役割をさせて、本当に申し訳なく思う。


母と電話で話した後、この数ヶ月でやらなかったことの後悔が、
いくつもいくつも沸き上がってくる。
お父さん、ごめんなさい、ごめんなさい。


母は、いよいよお墓をきめたようだ。
でも来年の3月で、結婚40年。絶対むかえさせてあげたい。