体重43.5㎏
がんばって食べているのに、減る一方だ。
母いわく、骨と皮になった。


現在、ハイペンという痛み止めを、朝夕2回飲んでいるが、
最近は効かないらしく、我慢強い父が、主治医に訴えたらしい。
で、今晩から、別の薬にするとのこと。
いよいよ、モルヒネ


しかし正しい使い方で、ぜひとも父のQOLを高めて欲しい。
この週末は、埼玉へ父に会いに行く予定。
その時、痛みで顔をゆがめている父なんて、
絶対見たくない!


今日の(父への)手紙の内容は、なににしよう?
こちらは、急に寒くなったこと?
義母が送ってくれた枝豆とさつまいもが、とても美味しかったこと?


でも本当は、いたわりの言葉や、今まで育ててくれた感謝の言葉や、
なにより、父のこと大好きだよって、伝えておきたいよ。


昨夜、母より電話あり。
一瞬ドキリとしたが、声は明るい。


むかつきをおさえる薬が、とてもよく効いて、
再び食欲がでてきたとのこと。(ヤッター!)
食べられると、いつもの調子が戻ってくる。


今日は幼稚園の運動会。
たくさんの、おじいちゃんおばあちゃんが見に来ていた。
両親は、ここ宮城には、一度もきたことがない。
今は稲刈りも終わり、殺風景だけど、
一度きて欲しい。

  決意


愛知の弟より電話あり。(初めてだね、でもありがとね。)
主治医の、抗ガン剤、もうやらない宣言が、
よほどショックだったのだろう。(かわいそうに。)


父の病気のことを聞いて、すぱっと禁煙し、
寺や神社があれば、父の回復を願って、お参りするような、
優しい子だ。(って、お母さんから聞いてるよっ☆)
「家族の支えがある患者のほうが、長生きするんだよ、
こんな時こそ、家族一丸となってがんばろう!」
としか言えなかった。ごめん。
(でも、私たちになにができのか?だれか教えて下さい。)


父は現在、倦怠感と食欲不振が一番辛い症状だ。
むかつきもあるらしい。
母は、食欲増進の薬について、薬剤師にきいたところ、
(ヒスロンHのことは、メモを忘れたため、聞けなかったそうだ)
ペリアクチンと、ドクマチール(?)という薬のことを
教えてもらったそうだ。
精神安定の効果もあるとか。
一刻もはやく使って、体力をつけてもらいたい。


本当に、積極的な治療をやめるなら、
精一杯、緩和ケアに徹してもらわなければとも、思う。
父の入院している病院は、
臨床腫瘍学(末期ガン患者に対する、トータルなケア)に
力を入れていると、HPに書いてあったぞ、たしか。
頼むぞ〜。


今日から、毎日(か、1日おき‥^^;)、父に手紙を書こうと思う。
少しでも楽しみにしてくれるといいな。


昨日父は自ら、抗ガン剤はもう止めると、母に言ったそうだ。
良くなるどころか、あちこち悪くなっているから。
歩くと、は〜は〜してしまうし。
ここへきて、膵臓癌のおそろしさを、実感する。


でも絶対、がんに支配されないぞ。
友達になろうよ、仲良くしましょう。
(実際、ガンに感謝してることも、少なからずある。)
お願いします。

  後悔


月曜日に撮った胸のレントゲンの説明。
やはり、いやな予感は的中してしまった。


肺転移。何ヶ所にも散らばっているそうだ。
肺炎ではないかとの問いにも、はっきり否定されたので、
そうなんだろう。
結局、ジェムザール(単剤)は効かなかったということか。


それで、主治医は(母に)、
「抗ガン剤も、もう止めましょう、患者にムチうつような
ものだから。」さらに、「年は越せないでしょう。」と。


父は、まだ母の持っていくご飯は食べているし、病棟内を
歩くこともできる。呼吸困難も吐血下血もないし、もちろん腹水胸水も。
なにより、来年着る夏用のパジャマの用意までしているのに、
新しい自転車まで買ったのに、残酷すぎやしないか?


確かに、ここ数日はだるいようで、特に今日は母が行っても、
起きあがることさえ、辛かったようだ。

なのに、主治医は父に「抗生剤(朝夕2回点滴している)おわったら、
退院しましょう」と言ったらしい。
不振に思わないはず、ないよな〜。
病院から見捨てられたんじゃないか、と父が思わぬことを、願うだけだ。


(ちょっと言わせてもらえば、2回目の入院中(8週間)の、
父がまだとても元気な時に、いくら頼んでも、
血糖値がガタガタだといって、なかなか退院させてくれなかったのに、
こんなに弱ってしまってから、そんなこというなんて。
結局、自宅静養もたったの2週間だった。)


私としては、体力を回復して、もう一度抗ガン剤治療をしてほしい。
母に、ヒスロンHのことを、先生に聞くようにすすめ、
同時に、緩和ケア病棟(ホスピス)のことも話してみる。

両親のところへ、すぐにでもとんでいきたい。
母にばかり、つらい役割をさせて、本当に申し訳なく思う。


母と電話で話した後、この数ヶ月でやらなかったことの後悔が、
いくつもいくつも沸き上がってくる。
お父さん、ごめんなさい、ごめんなさい。


母は、いよいよお墓をきめたようだ。
でも来年の3月で、結婚40年。絶対むかえさせてあげたい。

昨日の体重45㎏
母の持っていくおかずは、食べているらしいが、
なぜか体重は、減っていく。
少しずつ少しずつ、癌が父の体をむしばんでいく。


昨日、父がぽつり「俺、もう帰れないかもしれない」と、
母に言ったそうだ。「そんなに辛いの?」と、母が聞くと、
そうじゃないけど、全然良くならないから。」と父。

それを聞いて、父の前では泣いたことのない母が、初めて
泣いてしまい、そして、父も一緒に泣いたそうだ。


母は、自分の生涯で、今が一番辛いと言う。
24年前に、母の母がやはり癌で亡くなった時よりも。


でも、父は偉いと思う。
こんな大変な時でも、看護婦に冗談を言って笑わせたり、
孫たちを楽しませることを忘れないから。


今日また肺のレントゲンを撮った。
詳しいことは、分からないが、前回の写真に影が写っていたとか
なんとか、言われたらしい。一時は、異常なしと言われたのに。
明日、お話しますと、主治医。
いやな感じ。

  体重

父の体重が、46キロになってしまった。
入院時より、3キロ減っている。


が、昨日は母の差入れ(おはぎや手料理)を、
よく食べたとのこと。

食事の時間になると、決まって食べたくないと言っていたのに。
やっぱ、病院食に、問題があったのか!
好きなものなら、食べられるんだもんね。
よかったよ〜。


母も張り切って、今日は煮物を持っていった。
どんどん食べて、はやく体重が戻るといいね。

父は、糖尿もあり、毎日インシュリンをうっている(1日4回)ので、
血糖値があがってはいけないと、母も差入れを控えていたようだ。
ほんとうに、真面目なんだからっ!


今晩、弟家族が、名古屋から父の顔を見にくる予定。
孫達をみて、少しでも元気になって欲しい。


肺のレントゲンは異常なし。


先日、久しぶりにモンブランのケーキを食べたら、
すごく美味しかった。


そういえば、父も大好きだったことを思い出し、
母に電話で、病院の父に差し入れしたら?と提案する。


母は私のことを、あんたは気が利く子だと、誉め、
”自分は気が利かない悪い妻だ、お父さんが可哀想だ・・”と
泣き出してしまった。


父は癌に侵され、現在、最高に苦しい思いをしているが、
同時に、最高に幸福なんじゃないか?
大好きな母と毎日一緒にいられ、優しい言葉をかけてもらえるから。


きっと、(父は)感謝してるよ、幸せだよと、母に言った。
本当に、そう思うから。