浮腫み

14日から、呼吸困難が悪化。
今まで、酸素は鼻から吸入するタイプだったのだが、
マスクに変わり、もうベッドの上で、起きあがることもできない。
痛みもひどくなっている。


部屋もナースステーションの隣に移り、24時間の点滴。


さらに、足が浮腫んできたという。
体重は46㎏、腹水もたまり始めている。


母は朝から出かけていき、食事の世話、排泄の手伝い、
足のマッサージ、体を拭くなど、ひとりで父を介護しており、
本当に頭がさがる。


また、母は父の回復を信じて、様々な健康食品を、試していた。
(最近は、1本(500ml)2700円の”医者のすすめる水”と
いうのを、注文したらしい。)


そんな母が、
”あとは楽に逝かせたい、と思うようになっちゃった…。”と、
もらした。いいようもないくらいの残念さが、伝わってくる。


私も覚悟しなくては、いけない時期なのか?
この前、病院からこちらに帰るときの、父の寂しそうな顔を
思い出して、涙がでる。

  ポータブル酸素吸入器

今日は、携帯用の酸素吸入器を借りて、病院内を40分ほど
車椅子で廻ったらしい。車椅子の乗り降りだけでも、苦しいという。


呼吸困難、なんとかしなくちゃと、一生懸命調べるが、
良い方法が、どうしても見つからない。
終末期とは、思いたくないが、つい弱気になってしまう。
肺に転移してしまうような治療をしていたから、いけなかったのだ。
とりかえしのつかない事を、してしまったのかもしれない。


近頃は、電話が怖い。電話が鳴ると、
父になにかあったのでは?と、必ず思ってしまう。

車いすデビュー


午前中、病院に顔を出すと、父はベッドで将棋をしていた。
夜中に便がでて、すっきりしたらしい。やった〜。


調子も良さそうなので、一階まで行ってみないかと誘うが、
やはり少し歩いただけで、苦しくなってしまう。


看護師には止められたが、どうしても父と散歩したかったので、
むりやり車椅子を借り、父を乗せ、
玄関を出たり、屋上に行ったり、あちこちまわる。
不思議と、私の心が、おだやかになっていく気がした。
乗ってくれてありがとう。押させてくれてありがとう。


父は、この呼吸困難の症状を、気管支炎だと信じている。
気管支炎が治らないと、家に帰れないなぁ、と言ったり、
お正月のこととか、来年の免許証更新のことを心配したり。
さらに、いつも看護師さんや、同室の人に気を遣って、
いろんな事を我慢したりする。


現在、かなり危険な状態だと思うのだが、基本的にのんきだ。
もっと、自分のことを考えて、母を悲しませないで、と思う。


今日は、宮城に帰る日。
父の姿をしっかり目に焼き付ける。

便秘

今日の父は、便秘に苦しんでいた。
出そうで出ない状態。
便を柔らかくする薬を頼んでも、今日は先生がいないので、
出せないと言われる。浣腸しましょうか?と言われたが、
以前、隣のベッドにいた肺ガン患者さんが、
浣腸をしたとたん、容態が悪化したのを見ているので、
かたくなに拒否。

なんとか、自力で出そうとするが、無理。
トイレから、苦しそうな呼吸が聞こえてくる。
父のいらいらも、頂点に。


夕飯は、父のベッドをかこんで、みんなで食事。
この時も、呼吸困難におちいり、途中で横になる。
子供達も、あまりの父の苦しそうな姿に、声もでない。
しかし落ち着くと、私の買ってきたいなり寿司とのり巻きを、
ぱくぱく食べてくれた。(かなり苦しそうだったが‥。)


この後、血中酸素が70%をきり、酸素も5㍑に上げられ、絶対安静状態に。
ポータブルトイレがベッドの脇に置かれる。


この日の夜、母と二人で、家族の昔のアルバムを
泣きながら見た。若い父と母、幼い私や弟が写っている。
裕福ではなかったが、結構いい家族だったと、思った。


呼吸困難で苦しむ人(父)を、生まれて初めて見た。
凍り付いた。
可哀想という思いより、恐怖心のほうが大きかった。


話すことさえ苦しいはずなのに、父はいきなり、
私の小2の娘の事を、”中学生なんだ、ちょっと小さいけど☆”
と紹介して、ナースを笑わせた。
変わってないねっ、笑いながら涙が出そうになる。


父は、頑張って歩こうとするが、すぐに呼吸が苦しくなってしまう。
もう、自力歩行は無理かもしれない。


唯一嬉しかったことは、食欲旺盛なこと!
普通の人とほとんど変わらない量を、食べている。
すごいよ!えらいよ!


気になったのは、父が母に対して、とてもわがままになっていること。
人前で、平気で母を怒ったりするそうだ。(今まではそんなこと無かったのに。)
不安なんだよ、と母をなぐさめたが、母も分かっていると。
人格をも変えてしまう癌、ほんとうに憎い。


主治医に挨拶を、と思っていたが、3連休でしかも台風。
結局会えずに、終わってしまった。

  呼吸困難

また悪い知らせ。
4日に、再び胸のレントゲンを撮った結果、
肺への転移癌が、この1週間で、かなり悪化したらしい。

今は、いわゆる呼吸困難の状態で、酸素吸入をうけながら、
ほとんどベッドで過ごしている。

なんとかしなければ!


母が主治医に、もう退院は無理でしょう、と言われた。

GEM以外の抗ガン剤もお願いしたが、やはりもう無理とのこと。

でも、食欲はあるので、このまま諦めたくない。
絶対、なにか方法があるはずだ!!


5日から、オキシコンチン錠(麻薬系鎮痛薬)服用開始。
モルヒネよりは、副作用が少ないということだが、
やはり、吐き気と便秘の症状あり。


弟から、漢方の提案あり。
考えてみる。